きっとこの症状はウツのなにかなんだけれど、俺にはその資格は本来ないのだと理解した。ウケる。
今回はちょっと毛色の違う話を書こうと思う。
まず僕の自己紹介だ。
俺は頑張れない子である。
頑張らない子ではなく、頑張れない子だ。
頑張らない子は、頑張れるけれど頑張らないということである、努力の才能がある子だ。
一方、俺は頑張ろうとすることがなぜだかできない子、まあ努力の才能がない子だ。
これは小さいころからの経験で証明されている。
まず、期限内に何かができない。
宿題をしないことがその最たるものだ。
ただ、おかしなことに、実は勉強は嫌いじゃない。
実際、なんだこれ?と疑問に思うと変なテンションでそれを調べ始める。
勉強が嫌いじゃないのに、勉強をすることができない。
ほかにもそう。
挨拶ができない。
声が小さい。
遅刻する。
まあいわゆる、ネットで調べればすぐに出てくる「嫌われるタイプの人間」「仕事ができない人間」「上司に嫌われる人間」のすべての項目にあてはまるのが、俺だ。
最近、仕事で嫌なことがあった。
どうだ、興味、ないだろう?
PVが着々と下がってきたからできるネタだ。
まあぶっちゃけ、上司から嫌なことを言われたわけだ。
ミスをした。
まあそれはいい。
その責め方の理論と理屈が、俺の脳内のシステムではうまくつなぐことができなかったのだ。
それで俺はわあああああああ! ってなった。
意味が分からん。あんたの言ってることが意味が分からん。
確かに俺はミスをした。その対処法をほかの部署に任せた。確かにその謝罪をほかの部署がするのはおかしい。
まあそうだ。納得する。
さて、そのとき俺しか受付にいなかった。
サービスのかなめである受付を空にすることはできない。レジもあるしな。金があるしな。そこに。あとマスターキーとかもあるしな。
他、表にいるスタッフは二人。
一人は超常連につかまってしまったらしく、インカムを飛ばしても反応がない。
もう一人は、受付業務ができない、習ってない、せいぜい受付の用紙に名前を書いてもらうことしかできない、そんな子だ。
そして電話がなりまくっていた。
新しいお客さんが来た。お帰りになるお客さんも来た。
先ほどのミスをしてしまったお客さんの情報を過去の情報から調べている間に、なんだか今この瞬間に処理をしなければいけないことが山積して、ほかのスタッフも手が離せない状態で、「裏にいる人、電話出れますか! 精算のヘルプできますか!」つっても返事がない。
そんなこんなをしていると、ミスをしてしまったお客さんが、さっき電話で対応をお願いした部署とはまた別の部署に行って、俺の対応がいまいちだったとこぼしたらしい。
やべえ! となる俺。
ひとまずそのミスをした状況をそこの部署にもお伝えする。
そしてそのときやっと、頼みの綱の、常連につかまっていたスタッフ(先輩)が受付に来る。
しかし!
どうやら至急問題対策室に連絡をしなくてはならない状況らしく、すぐさま受話器を取って電話を始めた。
そして俺、「やっべえ! 問題対策室に電話しなきゃ!」と気づき、急いで電話する。そこで、
「その問題、まずは直属の上司に言った? 言って解決してから電話して」と言われる。
上司? あ、先輩に報告する前に電話した。しまった。
っ、まてよ。
そういや、この部署の上長、まだ退勤前じゃね?
やっべ!!!! あいついたわ、そういやいたわ。いつもよくわかんねー電話してたりくっだらないおしゃべりしてばっかだから、存在していること俺、忘れてたわ!!!!
慌てて報告しに行くと、「なんだそれ、しんじらんない」的なことをまず言い、あとはなんだか愚痴をこねくり始める。
すまんがさっさと判断してくれ。そして俺がお前の前にいることで、受付がもぬけの殻になっていることを察してくれ。
とも言えず。ともかくこの上司、決断がおせえええええええええんだよ。
こうしよう、まずは謝罪に行こう、状況を聞こう。お客様に対するアフターケアはこうしよう。
そんな決断力を発揮しない。
発揮するまでがくっそ遅い。
いや、ミスをしたのは俺だから文句は言えないが、これまでの上長っていうのは、そういった決断力が早い人ばっかりだったし、つかえねぇって思っていた上司もいたけど、責任者としての意識はちゃんとあった。
こいつにはそれがなんだか足りない。
ミスした俺が偉そうに言えないが、ミスしたときに使えねえ上司だと思われる上司はほんとに、どうかと思う。
まあそのあと、ぐちぐちぐちぐち言われた。
しかも、「お前ちゃんと考えてる?」「ちょっと考えてみよっか?」と聞いてくるタイプ。そんで、考えを口にすると、「どうしてそう考えた?」「理由は?」とさらに訪ねてくるタイプ。
ぶっちゃけ、これが最終的には「その考え方はちょっとありえないな」という感じに落ち着くタイプ。
じゃあお前の意見をまず言えよ!!!!
なんだよ!!!
泣くぞ!!!!
っていうなんだろう、長い長い時間を無駄にかけた圧迫面接みたいな。
まあそれで、「なんでそのとき、ほかのスタッフを受付に来てもらって、自分で走って行って謝罪しなかったの? なんでほかの部署に対応を任せたの? その意識をまず変えないからお前はダメなんだ」ということを言われた。
うん。
正論だね。
でもね、そんな状況じゃなかったんだよ!!!!!
「でも、誰もいなかったじゃないですか……」
ぷるぷる泣きそうになりながら反論する俺。
「またそうやって自分で考えるのをやめるんだね、お前は」
いや、だって。だって、誰もいなかったろ????
あそこで受け付け放り出して走れっていうのか????
なあ????
もうわけわからん。
わあああああ!!! ってなった。
なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ!!!!!!
どうしたらいいんだ俺は???
分身でもすりゃいいのか????
ミスしたのは俺の責任だ。
それはわかる。理解しているし納得している。
責任を感じている。
けどけど、わっかんねえええええええ!!!
どう? どうすればよかった?
ええええ?
しかも俺、しきりに、「だれか電話とって」「だれか精算ヘルプ!」ってインカムで飛ばしてたよ? 誰かが来るどころか返事さえもくれなかったよ?混んでたよ? 電話も何人か受けれなかったし、お帰りのお客様対応中に来たお客様イラつかせたくらいには混んでたんだよ?
それでどうやって、走って行けと?
わからん。俺の能力ではもう無理だ。
そして気が付いたんだ。
なあ上司。
お前、事務所にいたよな?
事務所の電話と受付の電話は連結しているよな?
俺のインカム聞いてたよな?
なに?
聞いてなかったの?
なんなの?
お前、なんなの?
お前がせめて電話の一本でも取ってくれれば、そりゃ俺だって走って謝罪に毛ていたかもしんねえよ?
お前、なあ、上司、なにしてたん?????
なあ!!
という感じだった。
そして、まあ、その話は、今回はこれでおしまいって感じになった。
で、問題はそのあとだ。
「自己採点表を提出してね」
前に働いていた職場ではそんなものはなかったが、今の職場ではそうゆうものがある。
俺はぼろぼろの気分でそれを書いた。
それが本題だ。
俺は、頑張ることができない子なのだ。
自己評価というのがまっっっっったく出来はないといってもいい。
とくに、どれだけ頑張ったか、という項目は、ほとんど「ゼロ」としか書けない。
いやほんとに。
自覚があるんだ。
俺、いま、また頑張ってないな!!!!
っていう。
自覚してんなら頑張ればいいんだけれど、自覚すると、途端に内蔵が重くなる。
言葉にすれば頑張りたくない。
でももっと病的な感じで、頑張ることができない、という、なんかそんな状況。
説明文とか読んでも、途中でないよがショートカットされる。
「PCのメール画面」、「パソコン打ちのメモ」、特に「横書き」
これがほんとに脳に浸透しない。
説明のメモが取れない。
いや、とれるよ。
とれるけれど、「その時に必要な情報」だったらとれる。
それ以外はなんだか取れない。
そう。
いわゆる、授業中のノート取り、とかができない。
実際にやってみて、失敗したこと、気づいたこと、疑問に思って調べて「そっか! そうゆうことか!!!」ってなったときはすんごいメモできるし、それが脳とか筋肉とかに刻まれている感覚がある。
だから、先輩に仕事を懇切丁寧に説明をされても、頭が半分も処理しきれていないし、「なんでメモとらないの!」と怒られても、ぶっちゃけ、メモが取れない。
この指で、この足で、なにかを実際にやってみないと、脳みそが理解をしようと動かない。
脳みそが動かないとき、俺は「あ、また頑張れてない」と自覚する。
なので、自己評価の「仕事への頑張り」「コミュニケーション」「仕事への新たな挑戦と提案」なんかはゼロ!!!!!
ゼロ!!!!
だって、頑張れてないんだもん!!!!
でも仕事をさぼっているわけじゃない。
必死。
ついさっきめっちゃ頑張ってたやん。
そのへんはすごい頑張っているよ。
「頑張っている」ことと「頑張れない」ことの境目がなんなのかまだ分からないけれど、まあ、俺は頑張る才能がないのはたしか。
だから書いたよ。
素直に。
ゼロってな!!!!
それで上長ブチ切れ。
「これはさっきの当てつけか!」
ってまず怒鳴られた。
あ、当てつけ?
だったのか?
と思う面もあったんで、書き直して提出。
「だから!!! お前ふざけてんのか? そんな適当にしごとしてんのか? お前をサポートしてくれているメンバーをなめてんのか?」
と。
いや、そうゆうつもりではないけれど、頑張っていない実感があるんだよ。
実感もあるし、経験からもね、頑張れない自分になんとかシャーペン持たせてやった努力が、明らかにほかの人たちの努力量に比べて少ないことが何回もあったからね、経験としてね、
あ、これ俺頑張ってねーわ。
と思ったのよ。数えきれないほどね。
「せめて合計55点以上になるように計算してかけ! この後俺もお前を評価するんだぞ、お前がんばってねーのに、俺は評価高かったらおかしいだろ? ふざけんな」
と計算機を渡される。
そして、「嫌な上司が言う言葉傑作選」に全部載ってるような言葉。
自己評価が低いのはお気に召さなかった。
頑張っていないと理解したから激怒した。
でも、それは言わないでくれてもよくない?
っていうレベルの発言。
そして計算機を渡されることには、激しいパニック。
え?
え?
嘘をかけと? 嘘を?
わあああああっっとなりながら55点以上になるように点数を振る。
かつてないくらいのストレスを感じている俺。
そしてリフレインする、これパワハラじゃね? っていう否定の言葉。
いや、うん。自己評価は低いよ。
低くてごめんね。
低いんですよ。
ほんと屑なんですよ。
え? この職場じゃなったらお前はとっくにクビですか。
じゃあもうクビにしてくださいよ。
まあそんな感じでわああああってなった。
この二日間くらいひどい状態だった。
やばい。
これ病院に行くレベルってくらいのおかしい身体状態だった。
数分おきくらいに、理由のわからない涙があふれた地、内臓がぶるぶる痙攣してくる。けいれんていうか、胴体がガタガタって地震みたいに震える。それを体を丸めてこらえると、肩と首が固まって頭痛がして、腕とかがへんな筋肉痛になる。
あ、これやべえやつだ、と思った。
「お前、頑張ってるじゃん」
「接客が苦手なのに受付業務やってるしさ」
「あのミスだって、さぼってたわけじゃないし、あれはきっと誰が受付に入っていてもおんなじ結果になった。むしろお前はちゃんとお客さんをさばいてた」
とか言ってくれる同僚もいた。
それで、ああ、俺も頑張ってるんだなって思えた。
あの上司は、俺の自己評価が低いから、起こったのだ。
今度は、自分のちゃんど努力した部分は努力なんだ、そう認めてあげられるようになろう。
でも仕事はもうやめたい。
でもまぁ、明日も仕事行こう。
と、そこで、なんだかホンワカ終わらないのが俺だ。
冷静になって考えた。
どうして俺は「嫌われる人間」「仕事ができない人間」に該当するのか。
遅刻するから。
メモ取れないから。
挨拶の声が小さいから。
目を見て話せないから。
自分を卑下するから。
……。
あ、遅刻ってのは語弊があるね。
遅刻はしない。
既定の時間には間に合っている。でもね、引継ぎをすべて終えて出勤とする、という常識? にはあっていない。
時間までに、職場のフロアにいること。
それが俺。
メモ? 取れないよ。
とったとしても、それはパフォーマンスだよ。
新しい業務を教えられてやく半年、経験にのっとって、業務の方法やコツを書き出すことはできるけど、メモはやっぱり取れないよ。
挨拶の声が小さい?
挨拶することはできているよ。
目を見て話せない?
目を見て話すって、どうゆうこと?
ひとまず、返事はしているよ。
自分を卑下する?
自己評価は低いよね!!!
俺は頑張っているよ。
うん。実は俺、頑張っている。
「遅刻しないように早く出る努力」ではなくて「ひとまず職場にたどり着くために無心で左右の足を交互に出すという努力」
「メモを取るという努力」ではなくて「メモを取れないけれど、それでもなんとかメモしてみようかとメモ帳になにかを書いてみる努力」
「大きな声であいさつする努力」ではなくて「せめて挨拶はしておかなきゃって、せめて挨拶くらいするぞという努力」
「目をみて話す努力」ではなく「せめて問いかけには、答えを見つけて答えるようにしているという努力」
うん。
努力はしてるんだよ。
世間一般とは違うベクトルにね!!!!!!
自己評価の項目にあったような努力はできてない!!!!
うん!!!
やっぱ俺、自己評価のその項目の努力、ゼロだわ!!!
俺、頑張ってるけど頑張ってない!!!
上司!!!!
おれ、やっぱり頑張ってません。
けどやっぱり、お前の言ったパワハラ発言は受け入れられない。
今も腹が痛いし背中が痛いし、眠れないし、喉がつかえる。明日あんたにあうのがつらいし、この数日の情緒不安定っぷりに周囲が辟易しているのが感じ取れてしまうからほんとに行くのがしんどい。
でも、明日も必死に左右の足を交互に出す。
次の自己評価でもゼロと書くか、大嘘ぶっこくしかないだろう。
だっておれ、がんばれないから。
わかってるから。
わかるんだ。
きっと、自己評価に嘘を記入しているとき、わあああああああ! ってなることも、わかる。
でもきっとそのときも、俺はまだ頑張ってない。
ほんとは、自分がどれだけクズであるかを認めているやつらへ一冊の本を紹介するという記事にするはずだったけれど、記事と自分へのカタルシスのためにその本を本棚(という名の本の廃材置き場)をあさったけれど、見つからなかったから俺のプライベートをさらすことになった。
まあここまで読んでる人はいないだろうから完全に俺の自己満だけど、一応落ちはつけておく。
探している本はなかったのに、「人間失格」が二冊見つかった。
二冊。
なぜだ。